ナイツロード拠点の医務室。 薬品の匂いが漂う中、一人の女性が扉を開き中へと入ってくる。担当医に話しかけて場所を聞き、左から二番目の真っ白なカーテンに覆われる隙間へと緊張な面持ちで入っていく。 そこには、包帯やガーゼだらけの痛々しいアルデスが…

訓練所にアルデスは戻って来る。 連れて来るはずだったリリはやはり逡巡し、足取りも重かった。 当然だ。状況が状況で心の整理がついていないのだろう。ベンチに座らせ、目を伏せるリリにアルデスは首を振る。 「無理はしないで。気持ちが追いついたらでいい…

【あらすじ】 遍く生命が謳歌する世界ユースティア。"次元喰らい"と呼ばれる存在により世界の併合を繰り返すそこは多様な人種や文化などが漂着し、入り乱れる文明たちが体系を築いていた。だが突如として現れた数多の次元を渡る侵略者集団"VICE"による侵攻で…

時間もいつの間にか夜を回っていた。しかし、団員たちはむしろ活気に満ちていた。 様々な娯楽施設も複合している為、昼間は任務や訓練で酷使した体をそこで安らげるのだ。休息をし、一時でも仕事を忘れ去ることは、人を保つ上で必要なことであり、また次の任…

アルデスは準備体操を終え、軽く体を跳躍させる。 一方、浮遊する杖に手のひらをかざすリリは瞑目して佇んでいた。 彼女はどんな戦略を用いて、どう立ち回るのか、何もかもが未知数な相手となる。緊張や不安よりも、彼の中では期待が勝る。その高揚感で飛び…

アルデスはそれ以来、諦めず誘い続けた。 二日目 「あ！ リリさん！ 一緒に訓練所行こう！ まずは案内するからさ！」 「嫌」 三日目 「リリさん。今日はどうかな？」 「嫌よ」 四日目 「お願い！ 一緒に訓練所行こう！！ 一回でいいからさ！」 「……嫌って言…

〜リリ・テレーズ視点〜 私は何が欲しかったんだろう？ 今でもそれを自分の中で自分に問う。もう終わったことなのに。無意味なことなのに。自分が納得できないだけで、やみくもに答えを求めてしまう。 でも今の私にはそんな権利も、立場も、資格すらない。 …

「はっ！」 「おーう。おはよう、寝坊助」 アルデスの視界に光が戻る。何が起こったのか分からず周りを見渡せば、自動販売機が立ち並ぶ静かな空間である。 訓練所にいたはずなんだが、そう思い彼は周りを見渡す。 背後の硬い感触……どうやらベンチに寝かされ…

風。いや、風そのものだ。彼女の初動は、姿が煙のように吹かれ、溶け、そして風と同化した。 しかし、アルデスは即座にセナを形として捉えることを諦める。 代わりに五感を研ぎ澄ました。 衣擦れ、臭い、足音、風の流れと動き……脳に与えられる情報をフルで読…

「いやよ」 ピシャリと冷ややかな断りがアルデスの頬を叩き思わず縮こまる。 それを見下ろすリリ・テレーズは軽く鼻を鳴らすとキビキビとした足取りでその場を去っていた。 「ダメかぁ」 肩を落として、ため息を吐く。 しかしながら瞳に焼き付いた炎は、どれ…

剣を振る。 それだけだ。力に貪欲で、そのくせ戦う才能も殺す才能さえないと言われるのに。 無駄だと周りは言う。だが、それでもと前を向くのが彼だった。 そもそも彼……ルスべ・アルデスが傭兵集団KR(ナイツロード)に所属できたのも奇跡だし、未だ訓練生とし…

・→自由 ☆→できればやってほしい ・性別は問わない ・種族や出身、年齢なども自由 ・騎士団へのスタンスは自由 ・団長グラムへのスタンスもある程度は自由(極端すぎる反骨精神や下剋上的な野心を持つ団員は、兆候の時点で排除されるのであまり存在しない) ☆…

正式には盾課 護衛科所属分隊『アイギス』。 隊長にルスベ・アルデス。 彼は訓練科卒業後、同じ落ちこぼれ教室の学友である二人を連れて盾課の門を叩いた。三人の噂は広まっており、落ちこぼれでありながらある程度の評価を叩き出していた三人の扱いに困った…

『基本情報』名前:ヴァルパーナ異名:沌の麗人出身:所属:VICE『贋』の派閥の王 『生体情報』種族:性別:女性年齢:肉体年齢：9歳 精神年齢：368歳生年月日:身長:125cm体重:29kg 『性格』 ☆好きなもの破滅 自分の思い通りになる全て ジュース お菓子 欲望 ☆嫌い…